2017年 4月 の投稿一覧

腎臓と尿酸値 密接な関係にある

腎臓と尿酸値

腎臓と尿酸値 密接な関係にあります。腎臓は、その最も重要な働きである血液のろ過においても、実に複雑な仕事を成し遂げています。たとえば、尿をつくる場合でも、最初は血液をろ過して「原尿」と呼ばれるものをつくり、それを尿細管に送り出します。原尿は尿細管を通る過程でもう一度、必要な成分が再吸収されます。

腎臓と尿酸値 腎臓は複雑な仕組みで尿酸を排出している

腎臓は、その最も重要な働きである血液のろ過においても、実に複雑な仕事を成し遂げています。たとえば、尿をつくる場合でも、最初は血液をろ過して「原尿」と呼ばれるものをつくり、それを尿細管に送り出します。原尿は尿細管を通る過程でもう一度、必要な成分が再吸収されます。

腎臓は尿をつくる以外にも、血圧を維持・調整するホルモン、骨髄に働いて赤血球をつくり出すホルモンなどを、自らの臓器の中で血液中に分泌しています。

尿酸もこれと同じで、腎臓の糸球たい体でろ過された後、すぐに尿として排泄されるのではなく、再度、尿細管で吸収されます。その後、尿細管を通過しながら再吸収をくり返し、体外に排泄されていきます。排泄される尿酸は、腎臓で処理される尿の10%程度と考えられています。

腎臓がしっかり働かないと尿酸値は上昇してしまう

腎臓には1 日に約1400リットルの血液が流れ込みます。これはドラム缶5本分に相当し、心臓から送り出される全血液量の約20% にあたります。

血液の流出入量を臓器の重量あたりでみると、肝臓の約5倍、脳の約8倍にもなり、全臓器の中で最多となっています。腎臓にはさまざまな重要な働きがありますが、最も大切なものは血液中の不要な老廃物などを捨て、必要な成分を取り戻すこと。
これにより血液も含めた全身の体液が、常に一定のバランスを保つことができます。血液をろ過して、尿をつくり、体内の老廃物である尿酸を尿とともに排泄する働きも、腎臓のそうした働きの一環です。

このようにして、人間の体内でつくられる尿酸の大半は、腎臓を経て排泄されます。ですから、腎臓の働きが低下すれば尿酸値は上昇し、「尿酸排泄低下型」の高尿酸血症を招くことになるのです。

腎臓がつくり上げたろ過と再吸収、排泄というメカニズムは驚くほど複雑で、現代医学もまだその全容を解明できていません。また、エネルギーの燃えカスであり、体にとって害でしかない尿酸がなぜ再吸収されるのかもわかっていません。

いずれにしても、腎臓がしっかり働かなければ、体内の余分な尿酸は排泄されません。排泄されなかった尿酸がどんどんたまり、高尿酸血症、痛風の危険性を高めることは言うまでもありません。

細かく枝分かれした腎動脈が200万個の糸球体を形成

腎臓の形や位置は背中にそらまめの形をしています左右どちらの腎臓からも約30cmの尿ぼ菅が伸びていて、膀胱につながり、尿を運んでいます。
腎臓に入った動脈(腎動脈)は細かく枝分かれして毛細血管になり、それが糸くずを丸めたような糸玉状になって「糸球体」を形成しています。
1個の糸球体からは1 本の尿細管が出ていて、この1セットを「ネフロン」と呼びます。これが血液をろ過して尿をつくる最小単位で、片方の腎臓だけで約100万個のネフロンがあります。このネフロンによる血液のろ過によつて残された不必要な物質は、尿管から膀胱へ運ばれ、再利用できるものは血液中へと再び戻されます。
痛風・高尿酸血症の病気について

尿酸値を高いまま放置 危険 治療せずに放置はとても危険

尿酸値を高いまま放置 危険

尿酸値を高いまま放置 危険 治療せずに放置はとても危険です。

尿酸値を高いまま放置 危険 症状のない段階から慢性期へ進行は3つの時期に分類される

尿酸値が高い状態をほうっておくと、痛風発作が起こる危険性が高まることは間違いありません。では、その発作はくり返すのでしょうか。くり返すとしたら、どのひんどくらいの頻度なのでしょうか。

さらに、何度もくり返す発作をほうっておいた場合は、どのような事態が待ち受けているのでしょうか。詳しくみていきましょう。
尿酸値が7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。
この段階ではほとんどの場合、自覚症状らしきものはありませんが、これが慢性症状、さらには深刻な合併症の併発への入り口になりますから注意が必要です。高尿酸血症から痛風への進行の過程は、

  1. 無症候性高尿酸結症期
  2. 関係性発作期
  3. 慢性痛風期

の3段階に分けられます。

自覚症状がほとんんどない無症候性高尿酸結症期

無症候性高尿酸結症期は、尿酸値は正常値を超えているけれども、症状らしいものは出ていない段階です。症状はなくても高尿酸血症には違いありませんから、治療をするしないにかかわらず、生活改善などの努力が必要です。
怖いのは、定期的な健康診断を受けていないため、尿酸値が高い状態であることに気づいていないケースです。これでは対処のしようがありませんから、そのまま放置され、痛風発作が起きるまで気づかないなどということになりかねません。

痛風発作をくり返す「間欠性発作期」

間欠性発作期は、痛風発作がある期間をおいてときどき起こる時期です。痛風発作は1回で終わりではなく、放置すると確実にくり返します。
最初の発作から次の発作までの期間は尿酸値の高さなどによって、短ければ数ヶ月、長い場合は数年など、大きく異なります。この時期になると治療は不可欠です。もし放置しておくと、発作の頻度は徐々に高くなり、激痛に襲われる回数も多くなります。

「慢性痛風期」になると、痛風結節、合併症の危険性も

慢性痛風期は、痛風が進行して症状が慢性化した時期です。間欠性発作期に適切な治療を受けなかったり、中断したりすると、この段階へ進みます。痛みの発作以外にも、症状が重いことを示す痛風結節が体のあちこちにできるのもこの時期です。

さらに、最も怖いさまざまな合併症にかかる危険性も高まります。医師と二人三脚で、根気よく治療を続けることが求められます。

体内の尿酸量が1000倍にも

尿酸値が基準値の7.0mg/dlを超えても、7.0台にとどまったまま推移している場合は、まず痛風発作を起こすことはありません。しかし、生活習慣を改めないまま放置しておくと、多くの場合、尿酸値は8.0 mg/dl 台 9.0 mg/dl 台へと徐々に上昇していき、10.0 mg/dl を超えることもあります。
そうなると、痛風発作をくり返すなど、症状は慢性化します。症状が重症化したことを示す痛風結節が現れた段階では、血液中に溶解しきれなくなった尿酸が結晶化して体中にたまっています。その尿酸量をトータルすると、正常な人に比べ数百倍、ひどいときは1000倍以上になるケースもあります。尿酸値の上昇に歯止めがかからなくなる前に、しっかりと予防・改善したいものです。

痛風・高尿酸血症の病気について

2種類 尿酸値 が高いタイプがある

2種類 尿酸値

2種類 尿酸値 が高いタイプがあるので紹介します。同じ高尿酸血症でも、尿酸値が上昇する要因によって2つのタイプに分けられます。ひとつは体内で尿酸が過剰につくられてしまう「尿酸産生過剰型」、もうひとつは尿酸の排泄がうまくいかずに体内に蓄積してしまう「尿酸排泄低下型」です。

2種類 尿酸値 最も多い「尿酸排泄低下型」は腎臓の機能低下が要因に

同じ高尿酸血症でも、尿酸値が上昇する要因によって2つのタイプに分けられます。ひとつは体内で尿酸が過剰につくられてしまう「尿酸産生過剰型」、もうひとつは尿酸の排泄がうまくいかずに体内に蓄積してしまう「尿酸排泄低下型」です。

2つのタイプの割合については正確な統計はありませんが、日本人の場合、60%が尿酸排泄低下型で、尿酸産生過剰型は10%程度と少なく、残りの約30%は両者の「混合型」とみられています。

日本人になぜ尿酸排泄低下型が多いのかは、まだ解明されていません。しかし、どんな臓器にもいえることですが、その働きぶり、機能の高低には大きな個人差があります。生まれつき心臓の強い人もいれば、胃腸が弱い人もいます。

つまり、腎臓の尿酸を排泄する能力が体質的に低い人がいるわけで、そういう人は同じように生活していても、高尿酸血症になりやすいといえます。

こうした遺伝的要素のほか、腎臓の病気を経験したり、あるいは高血圧や高脂血症、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病を発症することによって腎臓機能が低下した場合も、尿酸の排泄は低下します。何らかの病気が尿酸値の上昇を招き、高尿酸血症を引き起こすわけです。
腎不全の元凶 AGE を9割以上吸着する「純炭粉末」

「尿酸産生過剰型」は生活習慣の乱れが主な要因

一方の日本人には少ないタイプの尿酸産生過剰型は、体質遺伝などの影響とともに、食事や運動などの生活習慣も深く関係しているものと考えられます。

痛風は昔から「ぜいたく病」「帝王病」などと呼ばれてきたように、美食、大食を続けると発症しやすくなります。不思議なことに、プリン体は焼き鳥や魚介類など、酒のつまみに合うような食品に多く含まれます。こうした食品を食べすぎたり、あるいは暴飲暴食をくり返したりしていると、体内のプリン体が増加し、尿酸値の上昇を招きます。

また、激しい運動をくり返して、尿酸の原料となる「エネルギーの燃えカス」が大量につくられると、尿酸値も必然的に上昇します。

これらは、生活習慣から尿酸産生過剰型になっている典型的なパターンといえます。いずれにしても、尿酸の産生と排泄が正常範囲を超えたり、下回ったりすることで、体内の尿酸量は増加し、蓄積を始めます。それが長期にわたると、高尿酸血症・痛風を招くわけです。

尿酸値は尿の酸性度とは無関係

初めて「尿酸値」という言葉を聞くと、「尿の酸性度」を表す数値をイメージしてしまう人が多いのですが、尿酸というのはあくまでひとつの物質で、尿の中に酸が混じった状態などとは全く関係がありません。

医学的には「最終産生代謝物」とされ、その血中濃度を「mg/dl」の単位で表したものが尿酸値で、単位に水素イオン濃度の「pH」を用いる尿の酸性の度合いとは無関係です。

健康な人の尿の酸性度はpH6.0 ほどの弱酸性で、体内の酸性度はpH7.4 程度の弱アルカリ性です。この正常値が尿酸値の正常値とほとんど同じであることも、まぎらわしい理由になっています。しかし、これはあくまでも偶然の一致です。

痛風・高尿酸血症の病気について