痛風・高尿酸血症の病気について

尿酸値を高いまま放置 危険 治療せずに放置はとても危険

尿酸値を高いまま放置 危険

尿酸値を高いまま放置 危険 治療せずに放置はとても危険です。

尿酸値を高いまま放置 危険 症状のない段階から慢性期へ進行は3つの時期に分類される

尿酸値が高い状態をほうっておくと、痛風発作が起こる危険性が高まることは間違いありません。では、その発作はくり返すのでしょうか。くり返すとしたら、どのひんどくらいの頻度なのでしょうか。

さらに、何度もくり返す発作をほうっておいた場合は、どのような事態が待ち受けているのでしょうか。詳しくみていきましょう。
尿酸値が7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。
この段階ではほとんどの場合、自覚症状らしきものはありませんが、これが慢性症状、さらには深刻な合併症の併発への入り口になりますから注意が必要です。高尿酸血症から痛風への進行の過程は、

  1. 無症候性高尿酸結症期
  2. 関係性発作期
  3. 慢性痛風期

の3段階に分けられます。

自覚症状がほとんんどない無症候性高尿酸結症期

無症候性高尿酸結症期は、尿酸値は正常値を超えているけれども、症状らしいものは出ていない段階です。症状はなくても高尿酸血症には違いありませんから、治療をするしないにかかわらず、生活改善などの努力が必要です。
怖いのは、定期的な健康診断を受けていないため、尿酸値が高い状態であることに気づいていないケースです。これでは対処のしようがありませんから、そのまま放置され、痛風発作が起きるまで気づかないなどということになりかねません。

痛風発作をくり返す「間欠性発作期」

間欠性発作期は、痛風発作がある期間をおいてときどき起こる時期です。痛風発作は1回で終わりではなく、放置すると確実にくり返します。
最初の発作から次の発作までの期間は尿酸値の高さなどによって、短ければ数ヶ月、長い場合は数年など、大きく異なります。この時期になると治療は不可欠です。もし放置しておくと、発作の頻度は徐々に高くなり、激痛に襲われる回数も多くなります。

「慢性痛風期」になると、痛風結節、合併症の危険性も

慢性痛風期は、痛風が進行して症状が慢性化した時期です。間欠性発作期に適切な治療を受けなかったり、中断したりすると、この段階へ進みます。痛みの発作以外にも、症状が重いことを示す痛風結節が体のあちこちにできるのもこの時期です。

さらに、最も怖いさまざまな合併症にかかる危険性も高まります。医師と二人三脚で、根気よく治療を続けることが求められます。

体内の尿酸量が1000倍にも

尿酸値が基準値の7.0mg/dlを超えても、7.0台にとどまったまま推移している場合は、まず痛風発作を起こすことはありません。しかし、生活習慣を改めないまま放置しておくと、多くの場合、尿酸値は8.0 mg/dl 台 9.0 mg/dl 台へと徐々に上昇していき、10.0 mg/dl を超えることもあります。
そうなると、痛風発作をくり返すなど、症状は慢性化します。症状が重症化したことを示す痛風結節が現れた段階では、血液中に溶解しきれなくなった尿酸が結晶化して体中にたまっています。その尿酸量をトータルすると、正常な人に比べ数百倍、ひどいときは1000倍以上になるケースもあります。尿酸値の上昇に歯止めがかからなくなる前に、しっかりと予防・改善したいものです。

痛風・高尿酸血症の病気について

2種類 尿酸値 が高いタイプがある

2種類 尿酸値

2種類 尿酸値 が高いタイプがあるので紹介します。同じ高尿酸血症でも、尿酸値が上昇する要因によって2つのタイプに分けられます。ひとつは体内で尿酸が過剰につくられてしまう「尿酸産生過剰型」、もうひとつは尿酸の排泄がうまくいかずに体内に蓄積してしまう「尿酸排泄低下型」です。

2種類 尿酸値 最も多い「尿酸排泄低下型」は腎臓の機能低下が要因に

同じ高尿酸血症でも、尿酸値が上昇する要因によって2つのタイプに分けられます。ひとつは体内で尿酸が過剰につくられてしまう「尿酸産生過剰型」、もうひとつは尿酸の排泄がうまくいかずに体内に蓄積してしまう「尿酸排泄低下型」です。

2つのタイプの割合については正確な統計はありませんが、日本人の場合、60%が尿酸排泄低下型で、尿酸産生過剰型は10%程度と少なく、残りの約30%は両者の「混合型」とみられています。

日本人になぜ尿酸排泄低下型が多いのかは、まだ解明されていません。しかし、どんな臓器にもいえることですが、その働きぶり、機能の高低には大きな個人差があります。生まれつき心臓の強い人もいれば、胃腸が弱い人もいます。

つまり、腎臓の尿酸を排泄する能力が体質的に低い人がいるわけで、そういう人は同じように生活していても、高尿酸血症になりやすいといえます。

こうした遺伝的要素のほか、腎臓の病気を経験したり、あるいは高血圧や高脂血症、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病を発症することによって腎臓機能が低下した場合も、尿酸の排泄は低下します。何らかの病気が尿酸値の上昇を招き、高尿酸血症を引き起こすわけです。
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「尿酸産生過剰型」は生活習慣の乱れが主な要因

一方の日本人には少ないタイプの尿酸産生過剰型は、体質遺伝などの影響とともに、食事や運動などの生活習慣も深く関係しているものと考えられます。

痛風は昔から「ぜいたく病」「帝王病」などと呼ばれてきたように、美食、大食を続けると発症しやすくなります。不思議なことに、プリン体は焼き鳥や魚介類など、酒のつまみに合うような食品に多く含まれます。こうした食品を食べすぎたり、あるいは暴飲暴食をくり返したりしていると、体内のプリン体が増加し、尿酸値の上昇を招きます。

また、激しい運動をくり返して、尿酸の原料となる「エネルギーの燃えカス」が大量につくられると、尿酸値も必然的に上昇します。

これらは、生活習慣から尿酸産生過剰型になっている典型的なパターンといえます。いずれにしても、尿酸の産生と排泄が正常範囲を超えたり、下回ったりすることで、体内の尿酸量は増加し、蓄積を始めます。それが長期にわたると、高尿酸血症・痛風を招くわけです。

尿酸値は尿の酸性度とは無関係

初めて「尿酸値」という言葉を聞くと、「尿の酸性度」を表す数値をイメージしてしまう人が多いのですが、尿酸というのはあくまでひとつの物質で、尿の中に酸が混じった状態などとは全く関係がありません。

医学的には「最終産生代謝物」とされ、その血中濃度を「mg/dl」の単位で表したものが尿酸値で、単位に水素イオン濃度の「pH」を用いる尿の酸性の度合いとは無関係です。

健康な人の尿の酸性度はpH6.0 ほどの弱酸性で、体内の酸性度はpH7.4 程度の弱アルカリ性です。この正常値が尿酸値の正常値とほとんど同じであることも、まぎらわしい理由になっています。しかし、これはあくまでも偶然の一致です。

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尿酸値 服薬 開始はどのくらい?

尿酸値 服薬

尿酸値 服薬 開始はどのくらい? 尿酸値を下げる薬を開始するのはどのくらいから始めるのがいいのでしょうか。まずは、生活習慣、食習慣の改善からはじめます。それでも数値が低下しなければ投薬をはじめます。

尿酸値 服薬 高尿酸血症とわかったらまずは生活習慣の改善に取り組む

健康診断で尿酸値が7.0mg/dlを超えていれば、高尿酸血症と診断されます。
この段階で「痛風予備軍」ということになります。潜在患者を含めると、予備軍は600万人にも達するといわれますから痛風発症の危険と隣合わせの成人男性は、かなりの割合でいると考えられます。

高尿酸血症と診断されても、尿酸値が基準値の 7.0 mg/dl を少し超える程度であれば、すぐに痛風発作が起きる危険性はありませんから、あわてる必要はありません。
医師のアドバイスをよく聞いて、当面は生活習慣の改善に努めながら、様子をみることになります。しかし、生活改善の努力をまったくせず、暴飲暴食を続けたりすれば、尿酸値は確実に上昇していきます。そんな状態を放置しておくと、数年から10年以内には痛風発作が起こると考えてまず間違いありません。

「予備軍」というのは、「まだ予備軍だから心配ない」と考えるのではなく、「予備軍なのだから、ほうっておくと大変なことになる」と気を引き締めるべきものなのです。高尿酸血症と診断されたら、それを真正面から受け止め、その日から真剣に生活改善に取り組むようにしなければいけません。

薬が必要になるのはケースバイケース

痛風発作の経験がなく、尿酸値が 7.0 mg/dl を少し超えたあたりでとどまっているなら、医師も通常なら薬物療法を勧めたりはしません。
では、尿酸値がどのくらいまで上がったら治療が必要になるのでしょうか。実はこれも明確な判断基準があるわけではありません。過去に痛風発作を起こしているかいないかでも違ってきますし、合併症の有無、患者の体質、体調などによっても医師の判断は異なってきます。

尿酸値が 8.0 mg/dl を超えてくると発作の危険性もかなり高まる

一般的な目安としては、尿酸値が 8.0 mg/dl を超えると、いつ痛風発作が起こつても不思議ではないと判断されますから、医師から何らかの専門的なアドバイスがなされます。
薬物療法を勧められる場合も出てきます。尿酸値が9.0 mg/d lを超える状態が続く場合は、痛風発作を起こす危険性が極めて高くなりますから、医師の判断で薬物療法を開始する可能性が高まります。
痛風・高尿酸血症の治療に使われる薬について

若さが痛風発症を後押しする

痛風も含めて生活習慣病の「適齢期」といえば、40~50代のいわゆる中高年とされてきましたが、最近は30代の若年層、さらにはそれ以下の小中学生にさえ、さまざまな生活習慣病(の兆候)が広がっています。
特に痛風の場合は、年代別では30代の発症が最も多く、20代にも多発するようになっています。まだ若いからといって油断することはできません。

痛風の発症年齢が若年化した理由はいろいろ考えられますが、根本には、若さにまかせて好きなものをおなかいっぱい食べ、仲間と深酒をする食生活があります。さらに、エネルギッシュに行動するため運動量も多くなり、それが尿酸を大量につくり出す原因になっています。若さが発症を後押ししているわけです。

痛風・高尿酸血症の治療に使われる薬について

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