しっかり噛む 噛むことで肥満を防げます。早食いは食べ過ぎのもと、食べ過ぎは肥満の原因に直結しています。
しっかり噛む 早食いは食べ過ぎのもと、食べ過ぎは肥満の原因に
食事をして満腹を感じるのは、胃ではなく、脳の視床下部にある満腹中枢です。食べものが体内に入ると血糖値が上昇し、これが満腹中枢を刺激して、「もう十分に食べたからこれ以上食べなくてよい」という指令を出すのですが、「満腹」の指令が出されるのは食べ始めてから20分くらいたったころです。
その時点で血糖値が最も高くなるからです。ところが、どうでしょう。あわただしい出勤前の朝食は5分で胃袋へ流し込み、昼はめん類や井ものをガッガツかき込む…こんな味覚や食感を十分に味わう余裕もない食事をしていると、満腹中枢が反応する前に食べすぎてしまいます。
早い速度で短時間に食べる→どんどん食べる→胃の許容量が大きくなて大食いになる、と肥満への道をまっしぐらに歩むことになるわけです。
ゆっくり食べることは尿酸値上昇の抑制に有効
早食いは何の自慢にもなりません。肥満を招くばかりか、ろくに噛まないから胃への負担も大きくなり、消化不良の原因にもなります。
このような消化器症状が慢性化すれば、それがストレスとなり、血圧などにも悪影響を及ぼします。さらに、早食いは尿酸値も上昇させることがわかっています。
短時間に大量のエネルギーが体内に入ると細胞のエネルギーの消耗が激しくなり、その結果として尿酸が作られやすくなり、尿酸値を上げるのです。食事時間は最低でも1食に20分はかけてゆっくり味わって食べましょう。
ゆっくりと味わいながら食べるようにすると、少量で満腹中枢が働き、実際に食べた量よりも満足感が得られます。家族や友人などと会話を楽しみながら食べるというのも、時間をかけて食べるためのよい方法です。
ながら食いも食べ過ぎになりやすい
早食いとともに、食べ方ではもうひとつ「ながら食い」も問題になります。テレビを見ながら、あるいは新聞や雑誌を読みながら食べると、食事が味けないものになるばかりか、早食いと同じようにやはり満腹を感じにくく、食べすぎにつながりやすいものです。テレビを見ながらお菓子を食べているといつの間にか全部食べていることがあるのはこのせいです。
早食いやながら食いが習慣化している人は、料理を味わい食事を楽しむという基本的な姿勢を見直す必要があります。
無駄食いを防ぐ買い物テクニック
おなかがすいているときに食料品の買い物に行くと、どれもこれもおいしそうに見え、あれも食べたい、これも食べたいと必要以上に買ってしまいがち。
そして、いったん買ってしまったら、ついつい食べてしまうものです。食料品の買い物は、なるべく空腹時を避けましょう。また、チーズやハム、レトルト食品、冷凍食品のような手軽に食べられる食品が安く売られていると、「保存もきくことだし、何かのときに」と買いだめしたくなる人も少なくないと思います。
なければないですむものですが、キッチン周りにこのような食品があると、寝る前などについ食べてしまう恐れがあります。特売につられて食品のストックを増やさないようにしたいものです。
早食いなどの長い習慣を変えるのはとても大変で努力が必要です。たとえば、食前に食物繊維たっぷりのサルバチアなどを口にするのもひとつの方法です。
食事の前に食べれば食事中に食物繊維がお腹の中で膨らんできて満腹感を得ることができます。
よく噛んで食べることは脳の若返りにも効果的です。