中性脂肪 エネルギー源 となる 悪者ではない

中性脂肪 エネルギー源です。中性脂肪は、エネルギー源として使われますが、摂りすぎると肥満や動脈硬化などのリスクが高くなります。中性脂肪を減らすためには、食事療法と運動療法が効果的です。中性脂肪値が高くなると悪者にされますが、エネルギー源となる重要な中性脂肪です。

中性脂肪とはどんな物質か

中性脂肪は、グリセロール(グリセリン)と3つの脂肪酸が、酸とアルコールが結合して起こる化学反応(エステル結合)を起こした物質です。グリセロールというのは学名であって、一般に物質としての名称では「グリセリン」と呼ばれます。またの名で「トリアシルグリセロール」ともいわれます。このグリセリンは、室温では油状になっています。

中性脂肪は私たちの体の中の脂質のひとつで、食物を通じて体内に取り入れられるものと、肝臓で合成されるものがあります。中性脂肪の働きとしては、寒いときに体が放熱するのを防いで体温を一定に保ったり、皮下に蓄えられた脂質が内臓を外部からの衝撃から守ったりします。

中性脂肪のエネルギー生産量

中性脂肪は容積が小さくて軽く、水を含んでいません。そして、炭水化物やたんぱく質と比べると、単位量当たりのエネルギー生産量が高いという特徴があります。

脂肪細胞内に蓄えられた中性脂肪が化学反応を起こし完全に燃焼すると、1グラム当たりでおよそ9キロカロリーのエネルギーとなります。ですから、例えば、体重が60キログラムの人であれば、脂肪が約9キログラムあって、エネルギーは約8万1千キロカロリー蓄えられていることとなります。

貯蓄用のエネルギー

私たちの体の中の脂質は、中性脂肪として脂肪細胞内に蓄えられています。これらの貯蓄された脂肪は、長時間エネルギーの補給がないときに使われ、緊急時のエネルギー源となります。中性脂肪はエネルギーの貯蓄率が高いので、貯蓄用エネルギーとして最適です。

中性脂肪は、まず、ホルモン感受性リパーゼという酵素の作用によって、遊離脂肪酸とグリセロールに分解されます。この遊離脂肪酸が血液中に放出され、血漿アルブミンと結合します。そして、動脈から全身の細胞へと運ばれ、エネルギーとして使われるのです。

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善玉コレステロール 悪玉コレステロール の働き

善玉コレステロール 悪玉コレステロール

善玉コレステロール 悪玉コレステロール の働き についてです。一般に「善玉コレステロール」といわれているHDLは血管の中のコレステロールを回収する働きをし、「悪玉コレステロール」といわれているLDLはコレステロールを運ぶ働きがあります。

善玉コレステロール 悪玉コレステロール

善玉コレステロールとは、HDL  コレステロールのことです。HDL コレステロールは、血液中の余分なコレステロールを回収し、肝臓に運んで処理する役割を担っています。HDL-コレステロールが高いと、動脈硬化や心臓病のリスクが低くなると言われています。

悪玉コレステロールとは、LDL コレステロールのことです。LDL コレステロールは、血液中のコレステロールを体中の細胞に運ぶ役割を担っています。しかし、LDL コレステロールが過剰になると、血管壁に蓄積し、動脈硬化を引き起こす可能性があります。動脈硬化は、心臓病や脳卒中の原因となるため、LDL コレステロールを低く保つことが大切です。

善玉コレステロールの働きは血管内のコレステロールを回収すること

高比重リポたんぱく(HDL)は一般的に善玉コレステロールと呼ばれ、血液中のコレステロールや肝臓で合成され全身の末梢組織の血管の壁に溜まった低比重リポたんぱく(LDL)を回収する働きをしています。

HDL は肝臓で合成されるのですが、そのほかにも、カイロミクロンや超低比重リポたんぱく(VLDL)がLDLに変わるリポたんぱく代謝の過程でつくられます。

体の中にHDLが少ないと、血液の中や血管の壁に溜まったコレステロールがじゅうぶんに回収されずに、血管が狭くなったり、もろくなります。この症状が動脈硬化の始まりで、心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患にかかりやすくなるのです。

アメリカでは、HDL の量が少なく LDL の量が多い家系の人は、平均寿命が7~8年短いという調査報告がありますが、つまり、善玉コレステロールが多いほうが、健康で長生きできるということでしょう。

善玉コレステロールは生活習慣の悪さで減ってしまう

体に中性脂肪の量が多くなると、善玉コレステロールの量が減ります。適度な運動では増加し、運動不足や肥満、喫煙するなど生活習慣があまり良くない人は、善玉コレステロールが減少してしまうのです。

悪玉コレステロールはコレステロールを全身の細胞へ運ぶ

コレステロールは、私たちの細胞をつくる材料となったり、その細胞の中に蓄えられたりします。もともと体内でつくられる脂質で、私たちが生きていくうえで必要な物質です。食事から取り入れられ、肝臓で合成されたコレステロールは、LDL(低比重リポたんぱく)=悪玉コレステロールが全身の細胞へと運びます。これがLDLの大切な働きです。

大切な働きをするのに「悪玉」と呼ばれるのは何故?

血液中にLDLが増えすぎると血管壁にコレステロールが溜まり、動脈硬化を引き起こすことになります。つまり、LDLは、大事なものですが、多すぎると悪玉として問題となるのです。

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脂質の移動 血液 中で脂質は移動している

脂質の移動

脂質の移動 血液 中で脂質は移動しています。体内に食事から取り入れられた脂肪は、血液の流れとともに全身の組織へと運ばれていき、脂肪を必要とする細胞まで進んでいきます。ですが、コレステロールや中性脂肪といった脂質は脂なので、そのままの形では水や血液に溶け込めません。もしも脂肪のままの形で血液の中に入り込んだら、血液は拒絶反応を起こします。そこで、コレステロールや中性脂肪は、ほかの力を借りて血液の中を移動するのです。

脂質の移動 血液 中の脂肪はそのままでは血液中を移動できない

体内に食事から取り入れられた脂肪は、血液の流れとともに全身の組織へと運ばれていき、脂肪を必要とする細胞まで進んでいきます。ですが、コレステロールや中性脂肪といった脂質は脂なので、そのままの形では水や血液に溶け込めません。もしも脂肪のままの形で血液の中に入り込んだら、血液は拒絶反応を起こします。そこで、コレステロールや中性脂肪は、ほかの力を借りて血液の中を移動するのです。

「アポたんぱく」と「リポたんぱく」

コレステロールや中性脂肪は、仲間のリン脂質や、「アポたんぱく」という特殊なたんぱく質に包まれて運ばれていきます。この「アポたんぱく」は、水にも脂にもなじむ優れた性質を持っています。そして、リン脂質やアポたんぱくで包まれたこの脂質のことを「リポたんぱく」といいます。

「リポたんぱく」となったコレステロールや中性脂肪は、水に溶ける性質になって血液の中に入り込めるようになり、脂質は全身へと運ばれます。

リポたんぱくの種類と働き

リポたんぱくは、その大きさによって、カイロミクロン、超低比重リポたんぱく(VLDL)、中間比重リポたんぱく(IDL)、低比重リポたんぱく(LDL)、高比重リポたんぱく(HDL)の5つに分類されます。それぞれの脂肪組織によって大きさや比重が異なり、体内での働きも異なります。

カイロミクロン

リポたんぱくの中で一番大きく、水の重さを1とすると、0.95未満で水よりも軽く、おもな脂質は中性脂肪が約85%です。食物から吸収した脂質を肝臓へ運ぶ働きがあります。また、コレステロールの合成を調整します。

超低比重リポたんぱく(VLDL)

比較的大きなリポたんぱくで、中性脂肪が約55%です。比重はおよそ0.95~1.00と水に近いです。肝臓で合成された脂質を全身の末梢組織へと運びます。コレステロールを調節しますが、悪玉といわれるコレステロールのひとつです。

中間比重リポたんぱく(IDL)

大きさはVLDLの半分ほどで、水との比重はおよそ1.00~1.02です。脂質は中性脂肪が約40%で、コレステロールが約35%です。全身の末梢組織へコレステロールを運び、代謝を調節します。これも悪玉コレステロールのひとつです。

低比重リポたんぱく(LDL)

水との比重がおよそ1.02~1.06と水よりも重くなっていて、コレステロールが約45%です。血液中に存在し、脂質を全身の末梢組織へ運びます。これは悪玉コレステロールの代表で、動脈硬化などの危険因子です。

高比重リポたんぱく(HDL)

約50%がリン脂質で、比重はおよそ1.06~1.21と一番重いリポたんぱくです。全身の末梢組織から余分なコレステロールを取り、肝臓へ運ぶ働きをします。これは脂分が少なく、善玉コレステロールといいます。

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